Archive RSS Login

エヌエフ43製作室  2017 ヌキテパ

魅惑の世界 1/43ミニカー作り

 
Category: らくがき  

善と悪

P6210295.jpg

世に言うミニチュアカーは、いわゆる「動く模型」ではない。つまり走らせることが出来ない自動車模型である。でも昔の子供は自動車玩具は走らせてこそ価値があると信じていた。昭和ど真ん中に生まれた我々が、子供の頃に遊んだオモチャの代表は「ブリキ玩具」だった。今ではそのレトロ感と希少性が評価されてか、マニアの間では高額で取引される事で知られる存在でもある。

P6210275-001.jpg

そんな中でも、男の子の好みは取りわけ乗り物系が多かった。自動車や飛行機などの外観の展開図を印刷した薄い鉄板、いわゆるブリキ板を、その物の形にプレスして立体的に作られた玩具である。 余談ではあるが、自動車などの窓には運転手の姿まで描かれ、リアル感とか現実味からは少々かい離しているものが多く、見ようによっては不思議且つ非現実的なものも多かったようにも記憶している。  

P6210260.jpg

これら乗り物系ブリキ玩具には、ほとんど例外なく動力装置が着いていて、走らせて遊ぶことが出来た。逆の言い方をするなら、動かして遊ぶのが目的であり、飾ってそのフォルムを楽しむなどと言う、いわゆるディスプレイモデルような要素を持ち合わせることのない、ある意味、純粋な子供用玩具と言えるものである。 更に特徴的なのは、その動力源には「フリクション動力」なるものが採用されていることだ。別名「はずみ車」である。

P6210252-001.jpg

はずみ車とは、簡単に言えば、手で押して車輪を回転させ、フライホイール(はずみ車)によってその惰性を_大きくして、ギヤボックスを介して走らせるもの。つまり電池もゼンマイも使わず「自走」させることが出来る動力装置である。この装置の最大の特徴は「走り続けない」こと。この止まってしまうのが大きな難点のような気もするが、なんの動力装置を持たない自動車玩具を転がすよりははるかに楽しかった。

P6210323.jpg

自分自身、幼少の頃はこのフリクション玩具には大変お世話になった。かすかな記憶だが、プラモデルにもこの装置を組み込んで走らせることができる物も存在していたと思う。ただ、いくら子供でも年齢が大きくなるにつれて、このフリクション動力がだんだんつまらないものになってくるのである。そのつまらない原因は… 「子供っぽい」感じがするのである。そして「止まってしまう」というあの特徴も大きな原因か。(笑)

P6210289.jpg

当然の事ながら、3歳の子が遊ぶおもちゃを見て、5才の子は「子供っぽい」と感じるのは致し方ないことだろう。五歳の子は三歳の子を「チビちゃん扱い」したくなるものである。その思いが「ボクはもっと高度な動力装置の着いたオモチャで遊べるんだぞ!」みたいな感じだろうか。で、その高度な装置とは何かが問題になる。

P6210278.jpg

自分の中で、次世代動力装置は「ゼンマイ動力」だった。そのゼンマイ動力を搭載した自動車玩具を初めて見た時の衝撃は結構なものだった。手で押すのではなく、言うなれば「手を離す」ことで走り出す、言わば真逆の方式なのである。もちろんその前にゼンマイを巻くと言う作業が必要となるわけだが、これがまた走らせる前のひとつの儀式のような気がして、何となくワクワク感に包まれたりしたものである。当然の如く、プラモデルにもこのゼンマイは大いに活用された時代があり、自分自身もその魅力にハマったものだった。

P6210313.jpg

ゼンマイ動力で、もっとも楽しかったプラモデルは「戦車」である。それは戦車そのものの駆動方式にある。車輪で走る自動車とは決定的に違う履帯(キャタピラ)が着いていること。この履帯はさすがにフリクション動力では駆動させるのは難しいのだろう。ただしブリキ玩具にも戦車は存在したと思うが、動力装置にフリクションを採用していても、当然の事ながら絵に描いたイミテーション履帯を動かすことが出来ず、駆動装置としてはもっぱら底部についたゴム車輪だった。

P6210305.jpg

ゴム製のキャタピラを、ちゃんと動輪と遊輪を介してガガガッと走るその姿は、当時の子供にはこの上なくリアルに見えた。ちょっとした段差でも乗り越えて行くゼンマイ戦車は、もっとも楽しい模型のひとつだったのである。当時の子供たちが、このゼンマイ動力に飽きるより先に現れたのは、言わずと知れたモーターで動くおもちゃであった。

P6210263.jpg

とても先進的にも思えるモーター動力の自動車玩具は、スイッチさえ入れればいつまでも走る続けることが出来る。(もちろん電池切れになるまでではあるが) スイッチひとつで無限の楽しさ。しかしそこに落とし穴があった。止まらずに走り続けるおかげで、結果的にはどこかへぶつかって止まる。コツン、ガツン… 何度もやっていれば当然傷む。つまり、電池でとモーターで動く玩具は壊れるのが早いのである。

P6210268.jpg

フリクション動力もゼンマイ動力も、走らせることは出来ても適当なところで必ず止まってしまう。実はこのつまらなさこそ「善」なのである。電気仕掛けの猪突猛進を「悪」とは言いたくないが、後に「リモコン装置」が発案されるまでは、そう思われても仕方のない存在だったのかも(笑)。


スポンサーサイト


こんばんは。 
いつもながら、素晴らしい出来ですね。
葉巻型のボディが美しいです。

この年代のクルマはあまり興味なかったのですが、
このモデルを見ると、とても魅力的です。

私はゼンマイと言えばチョロQですかね。
その後、モーターが付くプラモデルがありましたが、
走らせる事にあまり興味を持たず、飾るか、爆竹で西部警察ごっこ。
で、ラジコンでモーター熱がブレイクしました(笑)。

たまにはラジコンで遊ぶのもいいかも。
とむさんへ 
おはようございます。
このタイプのマシンは今回作るまでその存在すら殆ど知りませんでした。
作っているうちに好きになってしまうのがいつものわたしなんですよね^^;
なるほどチョロQか!あれってゼンマイとフリクションの良いとこ取りした動力システムですよね。
残念ながら私の世代ではかなり最近のオモチャな気がするんです。
今じゃ43サイズのラジコンあるでしょ。あれは遊んでみたいと思いつつ、まだ触れたことがありません。たのしそ~^^
 
完成おめでとうございます!
配管のとこ、すごくカッコイイですね。
惚れ惚れします~(*^ ^*)

でも、フロントグリルが写ってる写真がなかなか出てきません。
スクロールして… あった!
…キモかっこいいです(すみません ^ ^;)!!
ざりあんさんへ 
こんばんは。
お褒めの言葉、恐縮でございます^^;
おっしゃるとおり、キモかっこいいタイプですよねコレ。
最初はほんとにキモいと思っていたんですが、作り終わる頃にはカッコよく見えてくる・・・
慣れとはオソロシイものであります。
フロントグリルもよく見ると(いろんな意味で)コワいです^^;

LEAVE
'A'
COMMENT






08-2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

07   09

プロフィール

エヌエフ

Author:エヌエフ
クルマやモータースポーツにはまるで弱いのに、マニア向けのミニチュアカー作りを生業とする、チョッと変わった人生を送っています。
なぜか自転車好きでこちらの方面では、今でも熱く語ります。

FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード