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エヌエフ43製作室  2017 ヌキテパ

魅惑の世界 1/43ミニカー作り

 
Category: らくがき  

典型が生み出す否典型

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話題作『永遠の0』をようやく観ることができました。どのように感動を受けるのか大きな期待を持って鑑賞したのですが、しかし世間が言うほど泣けませんでした。というか、むしろ全く泣けませんでした。一箇所だけウウッと来そうな場面… というか、セリフがありました。始まったばかりの場面で、吹石一恵が言った、「享年二十六」。 たったこれだけです。個人的思いとして、26歳の若い命が… ただそれだけで、特攻を描く映画にはぐっと来るものがあるのです。ですので、私を泣かせるのは簡単なことです。それなのに… ないんです。で、正直なところ、後にも先にもこの部分だけでした。

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原作を読んでいませんので、この映画に対してはあくまでも予断と偏見に満ちた感想しか言えませんが、戦後10年以上も後に生まれ、平成に生きる作家の描く当時の軍国青年の心は、当時の「軍人魂」の典型とは言えません。ましてや「特攻隊」を描くともなれば、より一層それが顕著に表れることになりそうです。けして今回の主人公のような気質の航空隊員が居なかったとは言いません。しかし、戦後に生まれ、平成に生きる人間の目で作り上げたキャラクターで「家族愛」の押し売りをするのが、平和社会の時代での目線ならではの描写に思えてなりません。

平和主義者で家族愛に燃える。素晴らしいことですが、これが当時の「典型的あり方」ではない、と思えて仕方ないのです。しかし、これは近年の日本の戦争映画では、これこそが「典型的な描き方」となりつつある風潮を感じます。劇中に出てくる「日本軍の特攻はテロである」云々の下りも、いかにも平成に生きる作家らしい内容だなと思いました。それを議論することを否定しませんが、このような映画の中で、この話を持ち出すと途端に白けてしまうのです。

さらに、主人公と係わりの有った元兵士が、当時を回顧して語るいくつもの場面も、そのセリフ回しはすべて平成に生きる人の言葉遣いで、とても違和感がありました。(ただ橋爪功のセリフには妙に感動、というか納得した部分もありましたが) 原作も映画製作スタッフも、すべて戦争を知らない世代の人たちが作るのだから仕方ない。もちろん観てる私も当然同じレベル。だからこれで吊り合いが取れるのでしょうから、それはそれでヨシとすべきなのかも知れませんね。

徹底した平和主義者のように描かれた主人公。命の大切さ、家族への愛をことのほか重んじ、戦闘そのもの、あるいは特攻の理不尽さを体現していた主人公。しかしそれが最後に特攻出撃を受け入れるに至る心境の変化の理由は、結局判然としないまま物語は終わります。あえてここでは書きませんが、映画の中で描かれるちょっとした理由(けして小さなことではありませんが)だけがそうさせたとしたなら、こんなつまらない物語はありません。もちろん原作があっての映画化ですので、脚本・演出に大きな問題があるのかも知れません。ここがもし原作から割愛されているとしたら、フィクションドラマとして全く面白みがないのではないでしょうか。

今どきの映画らしく、VFX満載、戦闘シーンはCG使って何でもありの映画手法。このドラマにそんな物要らないのではないでしょうか。お金を掛けずに人を感動させる反戦映画を、もっと人間的ディテール重視で作って欲しいものです。そうするだけでもっと深みのある人間ドラマとして見応えのある映画となると思います。
ここであえて言います。原作も読まずにこの映画のことだけとやかく言って申し訳ありません。ですから、かならず原作を読んで見ようと思いました。。そして読んでもし納得できたら、今回の酷評を謝罪する意味で、あらためて読後感想を書くことになるかも知れません。

さて、映画の中にも出てきたセリフですが、「あと10年もすれば、当時を知る者はほとんど居なくなる」 まさしくこれなのです。戦争を知らない世代が理想論を交えて「反戦映画」を作り、過去に日本が戦争をしたことすら知らない世代が、その映画を観る。それで何を感じるかが大変興味深いです。持論として、「反戦映画」はこの世が続く限り作り続けねばならないと思っていました。しかし、ひょつとするとこの様な映画表現は許されなくなり、「国威発揚」を促す映画を作ることこそが、日本人のあり方となる時代が再び来るかもしれません。

幸いなことに、私ほどの年齢になれば、仮に万が一の事態になったとしても、敵国の相手を直接殺さなければならないことは避けられるかも知れません。爆弾落とされて死ぬのは、もちろん無念としか言いようがありませんが、自爆兵器で敵に突入して死ぬよりはマシではないかと考えてしまいます。そんな事態が再び起こらないことを願うのは当然ですが。

百田尚樹… 個人的に、この映画を観ただけの段階では、今のところ彼に対する評価は低めとなりました。



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泣いて泣いて・・・2回も見ちゃいました 
いやぁ、かなりきつい評価ですね。でも、おっしゃる通りだと思いました。私はひどく涙もろいので、しょっぱなの夏八木さんが火葬場で泣き崩れるところから大泣きしてましたw 漫画作品と原作と映画と読み比べしてますが、映画は泣けるように作られてるようです。親類に戦死した兄の奥さんと結婚したひとがいました。その人とも重なるので泣けたのかもしれません。私は泣けた映画でした。
こんばんは。 
あら、エヌエフさんも泣けませんでしたか。
確かに泣かせようとさせ過ぎな演出がもったいないです。

仰るとおり、実際に主人公のような兵士は、
戦地ではいなかったんだろうな、とも思いますし。

最後のゼロ戦が現代の空に飛ぶシーンも、「なんだこりゃ?」
という感じですし、エヌエフさんの感想には、
うんうん、と納得しきり。

ただ、フィクションという認識で見れば、
戦争の悲劇を「分かりやすく見せる」作品だな、と思います。

原作、早く読みたいですねー。
セリカの男さんへ 
こんばんは。コメントありがとうございます。
ちょっと評価厳し過ぎましたかね^^; でもなんというか、どうしても消化不良なんです。
地元ラジオのある女性パーソナリティが、先に原作を読んだ時点でボロボロ泣けた、と言ってたんですが、これで映画を観たら大変でしょうね。
私も昔からドラマ観て大泣きしちゃう方で、特に特攻隊を描いたものは絶対にイッちゃいます。
でも今回のこの作品だけはそれが無かったんですよね。感受性レベルの低下なのか、それともヘソ曲がりに磨きがかかってしまったのか。

私の母方の親類にも海軍航空隊で特攻出撃して故人となった人もいますし、南方洋上に不時着して戻った人もいます。以前、こちらから興味深く話を伺おうとしても、その人は結局多くを語ってくれませんでした。ある意味とてもリアルな雰囲気は伝わりましたが。
ま、とにかく今回の映画で泣けなかったのは自分でも残念でなりません。
とむさんへ 
こんばんは。毎度どうも!
そうなんです、ぜんぜん泣けなかったんですよ。
主人公の気持ちが、いまひとつこちらに伝わって来ないんですよね。
命は大切にしなければならないとか家族愛は当然の気持ちなんですが、彼のその心理状態を描くのに失敗してると思えてならないんですよね。

上にも下にも気持ちの悪いくらいデスマス調の敬語口調だったり、突然廃人のような状態になったり・・・
で一変して特攻出撃したり・・・ 不思議です。

私の場合、フィクションだからこそ多少リアル感を犠牲にしてでも、もっと凄い驚く展開で平和主義者が一変して散華する、というストーリーが欲しかったのかも。
しかし、とにかく原作が読みたくなってしまったのは完全にあちら側の勝利ですね^^;

で、おっしゃるとおり、最後のあのシーンは蛇足以外の何物でもない^^

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プロフィール

エヌエフ

Author:エヌエフ
クルマやモータースポーツにはまるで弱いのに、マニア向けのミニチュアカー作りを生業とする、チョッと変わった人生を送っています。
なぜか自転車好きでこちらの方面では、今でも熱く語ります。

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